裏千家14世淡々斎宗室御書付『膳所焼色絵雲錦茶碗』

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色絵で雲錦絵が絵付されている豪華な茶碗です。内側の釉薬の発色が美しいです。雲錦とは桜と紅葉が一緒に描かれた文様で、桜を雲に、紅葉を錦に見立てています。 春夏一体の文様で四季を通して楽しめます。御家元の箱書がございますので正式なお茶会でも安心してお使いになれます。共箱ではありませんが、高台内側に『せゝ』印が捺してあることと、淡々斎の花押より、同時代に活躍した膳所焼陽炎園岩崎健三の御作であると考えられます。岩崎健三とは大正8年(1919)膳所の再興を計った地元地元(膳所)の名士であります。
裏千家淡々斎御家元により蓋裏に『せゝ焼色絵雲錦茶碗 今日主(花押)』と書き付けられています。

キズ、直しございません。

口径12.8㎝ 高さ8㎝

▢裏千家14世淡々斎宗室
明治26年(1893)~昭和39年(1964)
茶道裏千家14世家元。裏千家13世圓能斎の長男。幼名は政之輔、号に碩叟(せきそう)。30才で家元を継承。流儀統一のため淡交会を結成、海外普及と文化交流のために国際茶道文化協会を設立。紺綬褒章、紫綬褒章、勲三等旭日中授賞を受章。昭和39年(1964)北海道の旅宿で歿す。71歳。

◆膳所焼(ぜぜやき)
遠州七窯の一つ。「膳所」という地名は、657年に天智天皇により大津京が設営された時に、天皇の「お膳を準備する所」であったことに由来します。徳川の江戸時代になり、「綺麗さび」という美意識を基に小堀遠州が指導したのが近代膳所焼の始まりです。遠州自身の膳所焼に対する「指導」については、1620年代の寛永年間の菅沼膳所守宛て書状が現存しており、歴史的な証左となっています。即ち、膳所焼は近代史の中で400年以上の歴史を経て現在に至っております。小堀遠州の指導に基づき、将軍家御用達となった膳所焼は武家の美意識を反映し、茶陶として珍重され江戸後期まで存在しました。その後、膳所焼は、明治維新による衰退の危機を乗り越え、大正8年(1919)に地元の名士である岩崎家が山元春挙画伯などの協力を得て復興され、現在は「有限会社膳所焼窯元陽炎園」により伝承されております。

【参考文献】
茶人の花押 河原書店

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